古田の戯言

気が向いた時に

2/25 4日目 オーストリア(ザルツブルク)

フュッセンで泊まったホテルはサラミとチーズの種類が豊富だった。テンションが上がり、全種類を皿に乗せた。恐らく塩分量がえげつないことになっていたがビールで薄めることに決めた。殊更変わったものはレバーソーセージと黒ソーセージであった。レバーが好きなので臭みのないレバーペーストのまったりした感じにハマった。肉類なので日本に持ち帰れないのは残念だ。黒ソーセージは二度と食べたくないものの1つになった。豚の血と脂と肉の腸詰めらしい。ブラッドソーセージは血液100%だと思っていたが、そういうのは北欧とかのものらしい。熟成された血液というものを初めて口にしたが本当に食べられたものではなかった。薬品…と思ったことは覚えている。息を止めて飲み込んだ。(中央の皿の右端の黒いヤツである。)ハリボーのタイヤグミに次ぐドイツのゲテモノとして認定した。

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フュッセンをもう少し散策したい気持ちはあったが、次の都市に向かうべくホテルを後にした。フュッセンミュンヘンザルツブルクという4時間近い大移動で、12時くらいに到着した。ちなみに諸事情からこの日はメタルTシャツを着ていない。ドレスコード、フォーマルのつもりらしい。

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ザルツブルクは曇っていたが、街の雰囲気はかなり良かった。ウィーンほどでは無いと思うが、音楽の街っぽくソロのヴァイオリンやアコーディオン、弦楽器の三重奏などが至る所で聴ける。観光地は全て徒歩圏内で非常にコンパクトな都市である。ドイツより少しだけ物乞いが増えた気がする。ホテルの受付のお兄さんがどこだかのパワーメタルバンドのボーカルにめちゃくちゃ似ていた。声が低いのとあまりにもボソボソ喋るので一言も聞き取れなかった。ハローしか分からなかった。彼女の方は何故か聞き取れるようなので全て任せた。

街中は声に出して読みたいpostbusと呼ばれる電動?バスが走り回っている。昆虫の触覚のような物がバスの屋根から生えており、電線と繋がっている。恐らくバスが暴走したら電線は引きちぎられることだろう。

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サウンドオブミュージックのロケ地であるミラベル庭園などを一応見ながら街の中央へと歩いていった。

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昼食はSternbrauという醸造所。ビールはDie Weisseというオーストリア白ビールとEdelweiss の黒ビール。思ったようなシュニッツェルが食べられなかったことで、ここでもシュニッツェルを注文。仔牛肉だった。ここのシュニッツェルは満足できた。ビールはまた細かい味を忘れてしまった。安定の白ビールミュンヘン黒ビールという感じ。ローカルビールを飲んだという事実に満足した。何故かこの日はいつもより酔った。

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モーツァルトの生家に行ったが意外と楽しめた。ここも学割が効く。手書きの楽譜がたくさんあった、生前の手紙とか髪の毛まで展示されていた。借金返済を待ってくださいとか、この曲をあなたに捧げますとかそういう内容だった。

Sacherにも行った。ザッハトルテ発祥の店らしい。ザッハトルテは7.5€もした。かなり格式高いカフェで、ドアマンが扉を開けてくれる。メランジェ(ウィンナーコーヒー)と共に頂いた。添えられたホイップクリームは甘くなく、ケーキとよく合う。正直、やはりパサつくケーキ生地に感動が半減したのも確かだがコーティングされたチョコレートはとびきり美味しかった。四角いやつはtopfenstrudelという名前で、フルーツとカスタードのパイ包みである。正直こちらの方が好みであった。

※格式高い店でスマホのシャッター音を鳴らすのが忍びないので、そのような場合にはデジカメでサイレントに撮影した。

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夕刻過ぎから街歩きをし、大きなチェス盤を眺めつつ、個人的にどストライクな細い路地を通り抜けながらザルツの聖ペーター教会へと向かった。

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どこかで機会があればコンサートとか行きたいな、などと少しばかりクラシックをかじった僕はモーツァルトディナーコンサートなるものを見つけてしまい、つい予約してしまったのである。60€で食事付きのオペラを観られるなら安いものだ。モーツァルト時代のレシピを元にした3品が出てくる。料理好きとしてはこの上なく楽しみである。やたら背の高い執事のような人に受付をしてもらい、ジャパニーズ?コンバンワ!ハジメマシテ!と片言の挨拶を受け席に案内してもらった。観光地での日本語は警戒してしまう。

席に案内されると飲み物をどうするか聞かれた。メニューを見ずにシャンパンを頼んでしまったがこれが大失敗だった。グラス1杯で20€もしてしまったのだ。Bollinger special cuvee NVと書いてあったので後から調べると007でジェームズ・ボンドが愛飲していたシャンパンらしい。シャンパンなんてマックスバリューの1瓶1500円くらいのものしか飲んだことがなかったが、自分を納得させるべく記憶を辿ってみるとなるほど確かにマックスバリューのものはワインを炭酸水で割ったような味がしたが、ボランジェはそんなではなかった気がする…。

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そんなこんなで出されたパンをかじりながら待っていると楽器隊が入場してきた。ヴァイオリン2人とビオラコントラバス。それから男女のオペラ歌手という小編成。

1曲目はDon Giovanni KV527のオペラ。初めて聴いた生のオペラは迫力があった。ストーリーを知らないながらも歌手の表情や動きで何となく推察していった。それぞれの曲はだいたい30分くらいの演奏時間で美味しい部分のつまみ食いである。と思う。1曲目が終わると1品目の料理が運ばれてきた。Clear lemon chicken soup with curd cheese and rosemary dumplingという、言うなれば肉団子スープである。書いている今答え合わせをしているのだが、コンソメスープだと思っていたものはレモンチキンスープだったらしい。ダンプリングの強烈なチーズの酸味とハーブの香りが印象的であった。あれはローズマリーだったのか。ちなみに客全員が食べ終わり、食器が片付けられないと次の曲が始まらない仕様らしく、ゆっくりとした食事は出来なかった。

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2曲目はLe nozze di Figaro KV492。かの有名なフィガロの結婚である。やはり知っている曲を聴けるのはテンションが上がる。その後、2品目のメインが運ばれてくる。Supreme of corn fed chicken on glaze of red wine and herbs with creamy white polenta and vegetables from padre prior's gardenである。トウモロコシ鶏、赤ワインとハーブのソースと白ポレンタと共に~司祭の農園で採れた野菜を添えて~と言ったところだろうか…。ポレンタとはトウモロコシ粥のことらしい。俺のフレンチで食べたロッシーニにかかっていたソースとそっくりだった。緑の野菜はネギである。

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3曲目はEine kleine nachtmusik KV525。なんかねっとりした雰囲気になった。愛のセレナーデと言うし。3曲目が終わるとデザートが運ばれてくる。semi frozen parfait of wild honey on two different sauces。チョコレートとオレンジソースの上に蜂蜜ベースのムースが乗っている。このソースだが、皿がやたら冷やされているためスプーンでガリガリ削る必要があった。

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4曲目にDie Zaubelfrote KV620こと魔笛が演奏され、拍手喝采のもと幕引きとなった。この後すぐにシャンパンのレシートを確認して夢から醒めることになる。ちなみにプレミアムシートにするとディナーメニューが変わり、最前列のテーブルに着くことができる。貴族みたいな老夫婦が大量のワインを飲んでいた。今回の経験によってKVがモーツァルトの作品番号であることを覚えた。

帰り道のザルツァハ川沿いの夜景は小樽的情緒があった。

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本日の移動

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